弁護士コラム

ポリシー

弁護士 岡田 和也

「先生もいらちですねぇ。」

先日、ある依頼者の方から言われました。

兵庫県出身の私は、「いらち」という言葉を和歌山に来るまで聞いたことがありませんでした。

しかし、和歌山に来てから、「いらち」という言葉をときどき耳にし、ときどき自分がそうだと言われます。

どうやら、「いらち」というのは、「せっかち」という意味だそうです。

たしかに、我ながら、仕事の場では、なかなかせっかちな人間だと思います。

実際、インターネットで「いらち検定」というのを受けてみたら、「合格!あなたはいらちです。」と判定されました。

「いらち」という言葉は、何か「気むずかしそう」とか「怖そう」というマイナスイメージがあります。

私も、友人から、「時間に追われているような生活はストレスが溜まるから、そんなのは嫌だ。」と言われたりします。

しかし、自分としては、仕事でせっかちであることにストレスは感じませんし、少なくとも仕事ではせっかち人間であるべきだと思っています。

私が弁護士の卵であったころ、ある弁護士が、「弁護士の仕事は3つの『W』だよ。」と言っていました。

  • Write(書く)
  • Walk(歩く)
  • Wait(待つ)

だそうです。

たしかに、書面を書くのは大事な仕事だし、現場に足を運ぶのも大事な仕事だし、待つこともとても大事な仕事だと思います。

しかし、「3つのW」のうち、私は、最後の「待つ」ことだけは、どうも苦手です。

私は、弁護士の仕事は、時間に正確であるべきだと思っています。

極端な話、民事裁判の被告(訴えられた人)の代理人となっているのに1回目の裁判の時間に遅れると、最悪の場合、不戦敗(全面敗訴)となってしまいます。

このような場合でなくても、事務所での法律相談や打合せには、依頼者の方は、時間を遣り繰りされて、事務所まで何十分か、時には1時間以上かけて来られます。

私は、弁護士になった初日から、事務所に来られる依頼者の方は、できるだけお待たせしないようにしようと考えてきました。

これは、自分の弁護士としてのポリシーの1つです。

予定時間より少し早めに来られる方、予定時間より少し遅めに来られる方、色々な方がいらっしゃいますが、事務所に来られてから相談室にお連れするまでの時間をできる限り短くしようと考えてきました。

そして、ある程度はこれが実践できたのではないかと思っています。

しかし、これが実践できずに、かなりの時間お待たせしてしまった方も少なからずいらっしゃいます。

直前の裁判が予想以上に長引いたとき、直前の法律相談や打合せが予想以上に長引いたとき、遠方に出張していて帰所が遅くなったときなど、様々な事情によって、お待たせしてしまいました。

もちろん、裁判が長引いた場合などのように、自分の力では何ともし難いことも多々あります。

しかし、事務処理のスピードをアップすることによって、改善できる場合もあります。

どんどん入ってくる仕事を前にもたもたしていたのでは、とても時間通りに処理しきれません。

ですから、私は、少なくとも仕事では、せっかち人間になって、事務処理のスピードをアップし、日々の1つ1つの法律相談や打合せを大事にしていきたいと思うのです。

私は、これからも、このポリシーを維持していき、実践していきたいと思っています。

P.S.
 私は、「少なくとも仕事では」せっかち人間であるべきだと書きました。
 しかし、プライベートを振り返ってみると、約束の時間までかなりあるのに、どうも時間が気になり、時計を何度も確認していました。
 どうやら、自分は、仕事であえてせっかち人間になっているのではなく、単にせっかちな性格の人間なだけかもしれません。

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