弁護士コラム

武富士の取締役責任追及1万人訴訟について

弁護士 岡 正人

平成23年2月18日、最高裁判所は、


原判決を破棄する。
被上告人の控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。

との判決を言い渡しました。この瞬間、武井俊樹氏に対する約2000億円の税金の還付が確定しました。


1 新聞等でも報道されていたため、ご存知かと思いますが、上記訴訟の上告人は武井俊樹氏、同氏は株式会社武富士の創業者である故武井保雄氏の長男です。他方、被上告人は国、とりわけ国税庁です。

故保雄氏は、平成11年12月27日に、長男である俊樹氏に対して、1600億円を超える、海外の会社の株式を贈与しましたが、俊樹氏が贈与税の申告をしなかったため、国税庁が贈与税額1157億円余り、加算税の額を173億円余りとする課税処分を行いました。俊樹氏がこの課税処分を不服として訴訟していた事件の最高裁判決が上記の判決でした。


2 ここでは、1600億円という極めて多額の訴額であることや最高裁判決の決め手となった「住所」の解釈については触れません。

問題なのは、これら武井家の資産が、多重債務者から本来であれば取得できないはずの利息を不当に取得することによって形成されたものだということです。

一方、株式会社武富士は、平成22年9月28日に会社更生を東京地裁に申立て、2兆円にも及ぶといわれている過払債権のうち、配当できる金額は3~5%程度と言われています。

このように過払債権者に対しては合法的に97%(注、配当率3%の場合)もの債権を「踏み倒して」おきながら、他方で、数千億円に及ぶ個人資産を保有しているわけです。

誰が見ても、不公平と言わざるを得ません。

上記最高裁判決も、須藤裁判官の補足意見(判決の結論には賛成するものの、裁判官個人の意見を付け加えるもの)においても、


「・・・著しい不公平感を免れない。国外に暫定的に滞在しただけといってよい日本国籍の上告人は、無償で1653億円もの莫大な経済的利益を親から継承し、しかもその経済的価値は実質的には本件会社の国内での無数の消費者を相手とする金銭消費貸借契約上の利息収入によって稼得した巨額な富の化体したものともいえるから、最適な担税力が備わっているということもでき、我が国における富の再配分などの要請の観点からしても、なおさらその感を深くする。一般的な法感情の観点から結論だけをみる限りでは、違和感も生じないではない。」

と述べられています。

3 このような不公平を是正するため、現在、武富士の創業者一族を被告とする取締役の責任追及訴訟を準備しています。これは、現在ではわずかな配当しか受け取れない予定の過払債権者に原告となってもらい、取締役の個人責任を追及しようというものです。

  

「こんな不正義は許せない」「私も原告になれるだろうか」という方がいらっしゃれば、和歌山における原告募集の責任者には当職が就任していますので、当職までご連絡ください。   

詳細は、     

武富士の責任を追及する全国会議(http://blog.livedoor.jp/takehuji/)のHPをご覧ください。

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