弁護士コラム

初 心

弁護士 岡田 和也

初心のイラスト

先日、結婚式に出席してきました。


大学のテニスサークルの後輩同士の結婚式で、親族以外の出席者の8割はサークルのメンバーでした。

結婚式は、厳粛な雰囲気で、賛美歌 312番 (「い~つくしみ深~き 友なるイエスは~」で始まる歌です)を皆で歌い、指輪交換と誓いのキスを見守りました。

しかし、披露宴は、新郎新婦の意向に沿って(?)、かしこまらないアットホームな雰囲気となり、皆で新郎新婦を祝福しました。

さらに、二次会では、完全にサークルのメンバーのみとなり、新郎新婦に全く気を遣わずに、皆で盛り上がりました。

聞くところによると、新郎新婦は、1年以上も前から、結婚式の準備をしていたそうです。

なるほど、披露宴は、手作り感がにじみ出ており、かなりの時間をかけて準備したのだろうなと感じました。

新郎新婦の、披露宴の出席者をもてなしたいという気持ちがひしひしと伝わり、とても嬉しく、楽しく、満足した披露宴でした。


そういえば、ある先輩が、「披露宴の善し悪しは、かけた費用の金額じゃなくて、出席者が新郎新婦を祝ってあげようという温かい気持ちの大きさに比例する」と言っておられました。

私も、賛美歌 312番を、歌詞カードを見ないで歌えるくらいに、結婚式と披露宴に出席させていただきましたが、なるほど、先輩の言葉は、ある意味、的を射ているなと思っています。

もちろん、建物や設備や装飾品などのハード面も大事であり、これが満足感に大きな影響を及ぼすことは否定できませんが、やはり、人間あるいは人の気持ちというソフト面の方がはるかに重要だということでしょうか。
 

こんなことを考えていると、ふと、仕事について思い当たりました。

弁護士にとってのハード面とは、事務所やパソコンなどであり、ソフト面とは、弁護士の気持ちと依頼者の方々のお気持ちということになるのでしょうか。

我々弁護士の仕事は、法律を駆使して、依頼者の方々の法的利益を守ることです。

依頼者の方の中には、自分の要望を正確に伝えてくださる依頼者の方もいらっしゃいますが、自分の要望を自分自身でもよく分からないという方や、分かっているけれど正確に伝えられないという方もいらっしゃいます。


私は、弁護士になって当事務所に入所し、依頼者の皆様にお送りした最初の挨拶文の中で、「皆様のニーズを正確に把握し、最適な法的解決をさせていただきたい」という抱負を書いたと思います。

この抱負を完全に実現できたかなと思い返すと、やはり反省すべきところもあったなと考えています。

今一度、初心に返って、このことを肝に銘じたいと思っています。

 

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