弁護士コラム

1円で空を飛べるか

弁護士 岡田 和也

1円で空を飛べるなんて、あり得ない。
ずっと、そう思っていました。
しかし、どうやら、それは間違いだったようです。

JAL(日本航空)系LCC(格安航空会社)である「ジェットスター・ジャパン」が、「国内線片道運賃1円」というキャンペーンを行いました。

たったの1円で空を飛べることになるわけです(正確には、200円の予約手数料が必要となるようです。)。

しかも、「10名様に当たります」などではなく、1万席分のチケットを販売していました。

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路線もなかなか魅力的で、

  • 東京(成田空港)⇔大阪(関空)
  • 大阪(関空)⇔福岡(福岡空港)
  • 大阪(関空)⇔札幌(新千歳空港)

などの6路線が対象となっていました。

チケット販売は、先月17日の正午から午後2時までの2時間限定でした。

ジェットスター・ジャパンのサイトには、2時間で13万アクセスがあったということです。

しかし、完売とはならずに、一部の座席が売れ残ったようです。

なぜ、こんな破格のチケットが売れ残ったのでしょうか。

私が読んだ記事によれば、「馬鹿正直すぎる日本人の国民性」が原因かもしれないということでした。
 つまり、「とりあえず座席を押さえてしまえばいいものを、生真面目にも対象期間中の自分の予定を確認しているうちに、販売時間が終わってしまったようだ。」というのです。

そうなのでしょうか。

たしかに、多くの方が、「生真面目に対象期間中の自分の予定を確認」されたのだと思います。

しかし、「自分の予定を確認しているうちに、販売時間が終わってしまった」という「時間切れ」による結果なのではなく、多くの方が、販売時間内に自分の予定を確認し終わって、「必要なチケットは購入し、必要ないチケットは購入しない」という行動をとり、結果的に、完売とはならなかったのではないでしょうか。

また、そもそも、「1円で本当に安全なのか?」「なんとなく安心できないから止めておこう。」と考えてチケットを購入しなかった方も、少なからずいらっしゃったのではないでしょうか。

いい物は、やはり、それなりの値段がします。

いい物には、それなりの値段を付けることを必要とする原価がかかっているからです。

たとえば、腕時計であれば、精密な部品を作る機械を導入するためにコストがかかり、部品を組み立てる熟練した職人を育成するためにコストがかかり、完成された腕時計を慎重に運送するためにコストがかかり、店に届けられた腕時計を厳重に保管するためにコストがかかり…。

そういう凝縮された背景のコストにお金を払っているのだと思っています。

物だけではなく、人のサービスもしかりです。

いいサービスを受けるためには、やはりそれなりの値段がします。

物と同じく、サービスにも原価がかかっています。

弁護士の法的サービスもそうだと思います。

弁護士になるため、司法試験の勉強を毎日10時間して、弁護士になってから膨大な数の書籍を購入し、多数の研修を受け、多数の実際の事件処理をしながら技術を習得して磨き…。

そういう凝縮された背景のコストにお金を払っていただいているのだと思っています。

今後、LCCがどのようになるのかはわかりません。

ただ、私は、少なくとも今の時点では、LCCに乗ることはしないと思います。

ですから、私は、「1円で空を飛べるか?」というよりも、むしろ、「1円で空を飛べるか!」と思うのです。

今後も、より一層の高品質の法的サービスを提供させていただけるよう、努力していきたいと思います。

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